シニア層の転職は、長年の経験とスキルを活かせる新たなステージへの挑戦です。しかし、実際には理想通りにいかないことの方が多いです。「やっと転職できたのに、また転職活動をしなければならない…」そんな状況の方もいるのではないでしょうか。転職後のミスマッチ、職場の人間関係、待遇面の不満、キャリアプランの変化などです。転職後に再び転職活動をすることは精神的な不安や焦りを感じるのも当然です。しかし、適切な準備と戦略があれば再転職は可能です。むしろ、前回の経験を活かし、より自分に合った職場を見つけるチャンスと捉えましょう。この記事では、シニア層が転職後に再転職をする際にどんな課題を克服すれば再転職を成功できるかについて体験談をもとに説明します。
1、シニア層転職後の再転職の課題は自己分析とキャリアプランの再構築
(1)徹底的な自己分析
職務内容、職場環境、人間関係、待遇など、いろんな側面から振り返り、課題点を明確にします。シニア層転職の課題を分析できるチャンスなんて希少です。ミドルエイジのキャリアを棚卸し、強み、弱み、興味、価値観と転職時に分析した内容を再確認すると必ず新たな自分が見えてきます。
再転職時にはつい自身や会社を責めたり再転職になった原因を見つけ出し、落ち込むものです。こんな時は深く悩んでもろくなことはありません。例えば、、失恋した時はショックはありますが、反省はしませんね?それと同じだと思います。親しい仲間と一晩酒でも飲んで毒を出し切った後は、冷静にポジティブな自分に戻り、前回の転職で何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかを詳細に分析します。
【体験談1】私はタクシードライバーになり半年経った時、乗務中に頚椎と左肩、左腕に激痛を感じ病院に行ったところ頚椎症性脊髄症で乗務停止になりました。翌日から辛いリハビリをしながら、今も長期休暇中で復帰の目処は立っていません。その後の診断結果では元々頚椎の何番目かの骨が少しズレていて、乗務中左右の安全確認時に急に首を左右に振ったことで発症したとのことです。今も30分以上歩いたり座っていると、左肩から腕にかけて痺れて痛くなり、首が左に回り切らない状態で乗務はできません。先生は「もし今が80歳くらいだと寝たきりになったかもしれないのでまだまだ完治できるチャンスがあり良かったと思いましょう。」と言われました。今回の経験は身体のことでタクシードライバーにとっては致命傷です。まだまだできる!という過信をせず、この際だから完全に直してみるとことでその先が見えてくるかもしれないとポジティブに考えるようにしました。
(2)キャリアプランの練り直し
自己分析の結果を踏まえ、今後のキャリアプランを具体的に描き直します。どのような職種、業界、働き方を希望するのか?長期的な目標と短期的な目標を設定します。「以前がこうだったから、、、今回はこうしよう!」と考えると、設定範囲が狭くなったり、無理があるプランになります。実際には、市場のニーズや動向は刻々と変化しているので最新情報も考慮し、現実的なプランが現状維持であれば現状がベストなプランなんです。何も無理をして大きな輝かしいキャリアプランを立てて苦しむ必要はありません。
【体験談2】私は身体が完治して、タクシードライバーを続けるか?続けられなければどうするか?過去のキャリアでできる仕事は何か?について、せっかく与えられた時間を有効に使って描き直しています。例えば、個人事業主として日中間の人材育成やサポート業に専念するか?他にやりたい仕事を見つけて再転職するか?現実的なプランを練っています。
(3)スキルの棚卸しとアップデート
これまでの経験で培ってきたスキルを棚卸し、市場で求められるスキルとのギャップを分析することは転職活動時にされた思います。実際に転職されて「見て、聞いて、感じた」ことに応じて、資格取得、セミナー受講、オンライン学習などを通じてスキルアップを図ります。特に、ITスキルや語学力は、シニア層の転職においても大切な要素となります。
採用担当者はシニア転職者にスキルをアップデートして最強レベルになって欲しいとは思っていません。【最新!シニア層転職市場変化徹底解説】成功するためのアプローチとは?に詳しく作成していますのご覧ください。
(4)自己PRの再構築
自己分析とキャリアプランに基づいて、自己PRを全面的に見直します。強みや実績を具体的に示し、企業に貢献できること、なぜ貢献できるかのか?を明確にアピールできるようにします。前回の転職活動で使用した書類や面接での回答を参考に改善点を見つけ出すことも有効です。
【体験談3】5社内定をもらった中からタクシードライバーに転職した際の自己PRを見直しました。「営業経験で培った接客能力」はお客様の反応もよく会社宛にメールで何度かお礼を頂いたほどです。今後はこの自己PRを再転職先に活用するために、接客業だけではなく企画やマーケティング、小さいながらも会社経営経験者、日中間の長い経験を活かしてNPOなど自身の強い部分を更に深掘りしています。
2、シニア層転職後の再転職の課題解決は情報収集から
(1)情報収集の徹底
求人サイト、転職エージェント、企業のウェブサイトなどで、最新の求人情報を収集します。間口を広げて業界動向や企業情報も調査し応募する企業を探すよりも、シニア層向けの求人情報に特化したサイトやエージェントを探します。
(2)人脈の活用
知人、友人、業界関係者など、あらゆるネットワークを活用します。転職活動をしていることを恥ずかしがったり、引け目に感じることはありません。実際には、転職活動しない人の方が多いので周りからは感心されるほどです。特に、同業他社や関連企業に人脈がある場合は、積極的にコンタクトを取りましょう。
(3)セミナーや交流会への参加
転職に関するセミナーや交流会があれば、どこでも、いつでも小旅行気分で積極的に参加し、情報収集や人脈作りを行います。他の転職希望者や企業担当者と交流することで、新たな発見やチャンスにつながることは少なくありません。
【体験談4】身体が本調子ではないので、お酒以外でとにかくいろんな人に会うようにしています。中には完全リタイアされた方、転職、再雇用など会う方皆さん環境は様々です。タクシードライバーになった以降転職サイトからの求人情報メールは停止したままですが、今度は違う方法で新しいチャンスを見つけてみようと思います。実際に、メルカリなどの物販で無理なく始められこの1ヶ月間で利益80,000円を稼いでくれたり、このサイトも投稿記事が増えると読者ファンが少しづつ増えて来ました。更にYouTubeなどを参考にしてSNSを利用しての集客もチャレンジしてみようと思っています。
3、シニア層転職後の再転職の課題解決は応募書類の作成と改善
(1)履歴書・職務経歴書の見直し
過去の書類をそのまま使用するのではなく、今回の転職に合わせて内容を修正します。自己PR、職務経歴、スキルなどを具体的に記述し、企業が求める人物像に合致するように工夫します。
(2)第三者による添削
作成した応募書類は、家族や友人、転職エージェントなどに添削を依頼し、客観的な意見をもらいましょう。誤字脱字のチェックだけでなく、内容の構成や表現方法についてもアドバイスをもらうことで質を高めることができます。履歴書や職務経歴書は自分の名刺だ!くらいに思って堂々と提示するべきだと思います。そのリターンは計り知れません。
【体験5】昨年から数社の転職サイトに登録した履歴書や職務経歴書を見て、少々恥ずかしくなりました。実際に転職エージェントのアドバイスを参考にしているものとそうでないものを比較すると優劣がよくわかります。最初の頃は「私は○○○の経験と○○○スキルがあります、、、」主語を自分にしているところが多々ありました。これでは採用担当者が欲しいと思う人材には及ばないですね。タクシードライバーに転職した経験から見直すと、目線や考え方は採用担当者側に立ち、入社後に何ができる!という表現の大切さがよくわかります。
4、シニア層転職後の再転職の課題解決は面接対策と自己PRの強化
面接対策の徹底
自己PRの再構築
模擬面接の実施
転職時と再転職時の取り組み方は同じ進め方で、再転職時は遠慮する必要はなく貴重な転職体験がプラスされたというポジティブな気持ちを落ちましょう。
面接と自己PRについては以下の3つの記事で詳しく説明していますのでご覧ください
⚫︎【シニア転職収入維持を実践】キャリアマップテンプレート
⚫︎キャリアとスキル棚卸しは市場価値最大化しシニア層転職成功の鍵!
⚫︎【シニア層キャリアは評価されるか?】不安を希望に変え輝かせる方法
【体験6】私は年末に中国系企業、総経理採用の面接と待遇面の確認をするために中国へ出張予定です。今年4月頃から再三要請がありましたが、今は日本で生活したいことを理由に断っていましたが、粘り負けした感じです。先方の要求は中国語が可能、外国人、営業出身、中国文化習慣に精通し、経営を任せられる、、、。交友期間も10年以上ということもあり改めて自己 PRすることもなく、業務内容、責任区分、雇用年数、待遇面の話を聞くことが目的です。ビジネスの現場から10年近く離れているので、センスや勘が使い物になるかどうか?自身への確認の目的でもあります。
5、シニア層転職後の再転職の課題解決は労働条件と待遇の確認
高齢就業者数(正規非正規含む)は、18年連続増加の912万人と過去最多で、就業率は25.1%と前年と変わらず10年連続で上昇しています。
50代では1,703万円だった貯蓄が60代で一気に2,384万円増加しています。これは60~65歳で定年を迎えた人が退職金を貯蓄に回していることによります。
65歳以上の高齢者では「健康維持のため」や「時間を有効に使いたいため」「人との交流・出会いがほしいため」など、収入目的以外の要素が相対的に高くなっています。
(1)労働条件、待遇面の確認
給与、勤務時間、休日、福利厚生など、労働条件をしっかりと確認します。前回の転職で不満だった点を踏まえ、今回は妥協せずに交渉することも大切です。退職金、年金、保険など、待遇面についても確認します。将来の生活設計を考慮し、納得のいく条件であることを確認しましょう。
私は再転職だから、、の気持ちがあると引け目になり遠慮がちな口調や態度になってしましまいます。労働条件や待遇面に納得すれば希望やワクワク感を持って新しい職場に加わることができますが、妥協点で納得すればいつか必ず不満が漏れてきます。
(2)書面での確認
知り合いの紹介だから、信用できるから、、などの理由で口約束だけは避けましょう。労働条件や待遇は必ず労働契約書/雇用契約書のような書面で確認しましょう。
6、シニア層転職後の再転職の課題解決はポジティブ思考と諦めない心
(1)ポジティブ思考と諦めない心
再転職活動は転職活動時よりも精神的な負担は大きいものです。ついついネガティブな気持ちが付きまといます。ポジティブな思考を保つように心がけましょう。すぐに結果が出なくても、諦めずに活動を続けることが大切です。焦らずに、自分に合った企業を見つけるまで粘り強く続けましょう。
(2)外部と内部からモチベーションを上げます
年齢的にも心身ともに故障箇所が出てくるのは当然です。あれ?と思ったら適度に休息を取り心身ともにリフレッシュし新しい小説でも読むように次の1ページをめくるくらいでちょうど良いと思います。再転職活動で味方にもなり敵にもなるのがモチベーションです。ぜひ味方につけましょう。
【体験7】私はモチベーションを上げることを長く意識してきました。モチベーションには外部動機と内部動機があり、外的動機は報酬や評価などをもらうことですが、残念ながら私たちシニア層はもらうより与える側にいますので、実際にはなかなか難しいですね。他に刺激によって生まれるものなので、やはり適度なリフレッシュは大切です。合わせて内的動機として何に対しても「好奇心や興味、達成感」などを持つようにして外面と内面からモチベーションを上げるようにしています。転職活動はマラソンなので特に必要なことだと思います。
7、シニア層転職後の再転職の課題解決のまとめ
自己分析とキャリアプランの練り直しには1度目の転職経験はマイナスではありません。大きな経験ですので積極的に活用しましょう。
具体的に数値で見せられる自己PRに、やり過ぎはないのかもしれません。
パソコンからいろんな情報収集ができますが、時間が許す限り誰かに会って得られる情報は最強です。
履歴書や職務経歴書は劣化していくものです。リライトして鮮度を保ちましょう。
「練習でできないことは本番でもできない」それが面接です。
モチベーションは意識してあげるものではなく、適度なリフレッシュ効果と何に対しても「好奇心や興味、達成感」を持つことでモチベーションに現れるものです。