60歳定年退職転職者が数十社に応募してやっと面接までたどり着いた時、なんとか好印象残す!、相手の意向に逆らわない!、基本的にはYes返事!、自分は定年退職者なんだから(少し追い目を感じて)、、そんなことを考え面接に臨んでいませんか?
私も6社/6社から内定を頂いた面接では、”なんとか採用していただきたいんです”気持ちは当然ありましたが、それは自己PRや志望動機ではなく自分の気持ちで、面接の最後にお礼と挨拶として使うことを意識しました。そのメッセージを強くするために”再現性と継続性とその根拠”をしっかりと主張することをポイントにしました。
ここではやっと掴んだ面接チャンスを成功させるために、シニア層に必要な”再現性と継続性とその根拠”について実体験を交えながら説明します。是非ご参考頂ければ幸いです。
1、若者層より60歳転職者が優れたことを主張
転職において私たち60歳定年退職者が若者層より優れていることは、”再現性と継続性とその根拠”です。再現性と継続性は10年、20年の経験より30数年の方が繰り返し幅広い経験をしてきてるので再現性と継続性は高いんです。更に”なぜ再現できて継続できるのか?”についての根拠もたくさん持ち合わせています。
職務経歴書を見れば、長期間で確かな根拠を記載していますが全てをダラダラと説明することは避け、面接する企業が求める人材に焦点を絞りその根拠を主張します。
事例1:物流会社での法人営業に応募
- なぜウチの会社へ応募して頂いたんですか?
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8業界から法人営業のスキル、キャリアを中心に考え業界を絞り込み、3業種(教育、人材紹介、商社での商品法人営業、物流業界)の中から数値としてきちんと貢献でき、無形のサービスを提供する3LP(サードパーティロジスティックス)を意識して法人営業展開されている物流業界の御社に応募しました。
私がやってきた法人営業は購入いただく企業の発展のために課題解決の提案を継続的にするものですが、物流業界では企業のためも含みもっと広い地域発展のためであり、その先にはより便利な生活環境環境を提案することだと考え興味を持ちました。
【ポイント1】
広い業界の中でなぜ応募企業に選択したか?の根拠と業務を再現できる根拠として過去の法人営業との関連を説明。
- 入社後どのような仕事がしたいですか?
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非対面式(ホームページやSNS、ウェイブ会議)を40%、対面式を60%にした法人営業で御社に貢献できる考えます。一昨年までのコロナ禍で非対面式営業が定着した新しいスタイルは市場で主流になり効率の良い活動ができます。
更に、最近15年間の動きとして、ホームページの制作や更新は外部企業に依頼することから自社で対応できるようになり、短期間に情報をアップデートすることで企業PRが簡単にできます。私自身も趣味の範囲ではありますが自身でブログを制作し情報発信しており、実際に業務として企業のホームページ制作の仕事を頂いたこともありましたので即対応できると考えます。
【ポイント2】
対面式を主な活動方法としている企業に向けて、非対面式の必要性と対面式も必要である根拠と自身が再現でき継続できる根拠を説明。
- 今までの成功談を教えてください
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直近では日本語教育を中心に次世代を担う青少年たちを日本へ輩出する仕事です。彼らは小さい頃から日本アニメを見たことで日本を身近に感じるようになった世代で、職業観の中に日本で就職したいという流れが大きく、年間40-50人程度日本へ輩出できたことです。
その事業において、学生やご両親への個人営業と同時に日本の企業、大学院、大学、専門学校との業務契約において、過去の法人営業を即実践することができました。
【ポイント3】
直近の3年間、長くても5年間に絞りその先の過去の成功談には触れません。その成果は自分自身の頑張りではなく市場の流れが味方し需要に適った結果であることを説明。
事例2:人材派遣会社の法人営業に応募
- なぜ人材派遣会社に応募したんですか?
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8業界から法人営業のスキル、キャリアを中心に考え業界を絞り込み、3業種(教育、人材紹介、商社での商品法人営業、物流業界)の中から、直近の業務で業界が近いことが大切と考え、御社は外国人を積極的に日本企業へ紹介する業務をされているところに強く引かれ応募しました。
私は長く中国で日本語教育を中心に人材育成していましたが、国が違っても同じ世代の青少年たちが持つ日本への期待感や職業観には共通点があると思っています。現地の大学などとの送り出しのための業務提携、セミナーの開催、本人やご両親へのコンシェルジュ対応、日本企業への人材紹介などは即戦力として御社に貢献できると考えました。
【ポイント1】
広い業界の中でなぜ応募企業に選択したか?の根拠と業務を再現できる根拠として過去の法人営業と個人営業の関連を説明。
- 入社後どのような仕事がしたいですか?
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人材育成と人材紹介に関係する業務であれば、御社のご予定の沿いたいと考えておりますが、もし希望をお聞き頂けるのであれば、直近の業務だった中国側の大学などと送り出しの契約や現地でのセミナーの開催などで人材募集をする法人営業と、本人やご両親へのコンシェルジュ的な個人営業をやらせて頂きたいと考えます。
HSKなど中国語検定試験は受験していませんが、20数年間の生活で活きた実用中国語ができますので、通訳なしで業務にあたることができます。また、上海市、重慶市、四川省での駐在実績から生活習慣、移動方法など不自由なことはございません。
【ポイント2】
入社後の業務は会社規定に従うとして、改めて質問としてあるなら答えるようにします。企業の希望する人材像に沿って自己PRの面から即実践力のある業務と再現性と根拠について説明。
2、自己PR、自己紹介、長所の使い分け
面接が始まり、採用担当者から”では自己紹介を/自己PRを/あなたの長所をお願いします”と言われた時、それぞれは違う意味であり、使い分けることをオススメします。
この使い分けができなければ、一生懸命説明するだけで的を得た表現ができません。
【自己PR】スキルやキャリアの棚卸しをし経験した職種によって身に付いた強み
【自己紹介】応募者の基本情報
【長所】資質や性格がもたらす仕事への取り組み方、姿勢
3、断定型表現の多様は禁句
面接は提出資料がベースなので、必要以上に強調する必要はないんですが、ついついやってしまうのが自己PRや志望動機の時の断定型の表現です。例えば、”〜から御社に貢献できます”でも良いのですが、”〜から御社に貢献できると考えます”くらいにしておきましょう。
面接官によっては、2−3回断定型が続くと質問を返してみたくなる禁句キーワードです。例えば”そこまで自信をお持ちの具体的な根拠を教えてください”と質問返しされると困りますよね。
”自己PRと志望動機”は面接の中心部分ですが、若者層の人たちに求める人材像とシニアに求める人材像はもともと違い、自社の企業風土に合うか合わないか?の評価も同時にしているので、自己主張が強すぎると、”ウチにはあわないかなぁ、、”と思われがちでその原因が断定型の多様です。
4、協調性表現の魔法の言葉:おかげ
主語が私になると”おかげ”ではなく自分の成果になってしまい、主語があなた、彼など第三者になると”おかげ”を使えます。営業成果も、社長賞も無事に定年退職できたことも自分ががんばったことではあるのですが、仕事は一人では完結できないことを表現する言葉が”おかげ”です。
日本企業がチームで仕事をすることについて、賛否両論ありますが私は賛成です。属人性は人材育成、情報共有の弊害になります。だから企業側は強調性の有無を面接で確認しようとします。
若者層であれば、多少とがっていても”元気、雰囲気を明るくする、牽引する”などプラス要因にもなりますが、スキルとキャリアをもったシニアが組織の中でとがっていては、キャリア面で他の社員が論破されて強調性は保たれません。
5、見た目重視
シニアだからこれ位で多少はいいかぁ?と思うのはシニア側の勝手な考えです。職種に関係なくスーツかオフィシャルな服、身だしなみをしましょう。
身だしなみ→話し方→姿勢は面接に臨む意気込みが現れますので「見えるカタチ」を整えていきましょう。ウェイブ面接でも対面式面接でも相手は案外こまかいところまでチェックしているので相手に本気度を疑われないように気をつけましょう。
また、そういった意気込みは話し方や表情についても連鎖しますので、なんとなく表情が暗い、自信なさげな話し方の人は、唯一無二な人でない限りは採用したい人はいません。適度な笑顔で、自然に堂々と自分を表現しましょう。
6、何か質問はありますか?は最後にPRするチャンス
今までの内容で何か質問はありますか?
最後に今日の内容について質問はありますか?
<悪い質問事例>
給与や待遇、残業時間などの質問はマイナスイメージを与えます。待遇面については求人情報に概略は明記しているので、改めて質問する必要はありません。内定後に詳しく提示がありますので面接時での質問は控えます。
<良い質問事例>
経験豊富なシニア世代としては、企業の事業内容と自分のスキル、キャリアとの関連性などレベルを高くして、相手が質問内容を理解しやすいように質問をします。「おっ、この人は、うちの事業についてきちんと事前調査しているなぁ」と感じさせるような質問を3〜4個考え、スキル、キャリアをしっかりアピールしましょう。
7、面接定番の4つの質問は必ずありますので真剣に答えます
どの回答も長すぎず短すぎず(0.2秒/1事)な回答を準備します。
相手から”簡単に、、どうぞ”と言われると1分〜2分間ですので、事前準備として300文字/1分〜600文字/2分になりますが、真剣さを増すために句読点の間をしっかり付けると、250文字/1分〜550文字/2分程度です。
(1)間単に職務経歴を教えてください
(2)志望動機を教えてください
(3)ウチの会社以外に転職活動をされていますか
(4)自己PRをどうぞ
8、未経験者採用は積極的な状況
(1)選考基準の変化
転職者側から見て未経験業界への転職が約70%の背景には、企業側が転職者への選考基準を緩やかにしている傾向が続いていることと、選考基準を職務経験よりコミュニケーション力を重視していることから、シニア層にも大きなチャンスがあります。
引用元:中途採用状況調査2023年版(2022年実績)マイナビ
(2)シニア層採用に積極的企業微増
直近の5年間では、正社員、アルバイト、パートとも積極的と回答した企業は増加しており、今後さらにシニアの就労参加を進めるためには、企業がシニア採用に積極的になることと、シニアが働きたいと思える求人募集が増えることが必要です。シニア採用に積極的ではない企業が約70%もあることも事実ですので、”年齢の壁”が存在しています。しっかりと事前準備をして絞り込んで臨むことが成功のポイントになります。
引用元:「シニア層の就業実態・意識調査2023」分析レポート ジョブズリサーチセンター
9、まとめ
シニア層面接の最大の強みは”再現性と継続性とその根拠”です。
自己PR、自己紹介、長所の使い分けは別物ですので使い分けましょう
自信満々の断定型表現は度を越すと逆質問される可能性があります
場面や年齢層にかんけいなく”見た目重視”は最低限のマナーと自身のモチベーションに繋がります
何か質問はありますか?は最後にPRするチャンスを頂いたと考え積極的に質問をします