60歳転職時にいろんな転職サイトを見るとワクワク感よりガッカリ感の方が多いですね?職種、待遇、給料など、、。こんなはずではなかったと思われる方も多いでしょう。
私も転職活動開始時は理想と現実の壁に当たりがっかりしながら幸運にも数社から内定をもらい、面接で待遇面の確認をすると、業務内容は営業スタッフのサポート、新規開拓のみで具体化すると営業スタッフに引き継ぐ業務で給料は20万円、土曜日、日曜日は休み、朝9時から18時勤務など現実を知りました。
そんな中、”歩合制”で頑張った分だけ給料を得ることができるタクシー運転手の募集が目に止まりました。この記事では他業界から内定をもらいながらなぜタクシー運転手を選び、なぜその会社を選んだかについて説明致します。
1、決め手になった理想と現実の壁の体験
複数の転職サイトに登録しプロフィール、職歴などを記載し転職活動を開始しました。募集している企業(営業<日本国内、海外>、マーケティング)へ応募しましたが、”残縁ながら、、、”の断りメールばかりで気持ちが折れそうでした。
そんな中、数社で面接まで進み、業務内容や待遇面をお聞きするとどこの企業も満足するものはなく、60歳転職の現実の壁にぶち当たりました。以下に具体的な理想と現実の大きな壁について、なぜタクシー運転手になろうと思ったかについて体験談をお話しいたします。
(1)理想
豊富な経験の有効活用
60歳までのキャリアで培った経験やスキルを、これからは他の企業で活かすことで付加価値を上げた転職ができ、特に、マネジメント能力やリーダーシップ、業界特有の知識や人脈はきっと重宝されます。
ライフワークバランスの重視
60歳からは、定時勤務ではなくフレキシブルな働き方や在宅勤務などを選び、よりプライベートと仕事のバランスを保ちやすくなります。
キャリアの新しい展望
自身の趣味や興味を活かした仕事へ挑戦でき、充実感を得られます。退職後の第二のキャリアとして、できる仕事からやりたい仕事への転職でボランティアやNPOでの活動、現役時代とは全く違う業界、起業などが考えられます。
(2)現実
募集は多いが採用が難しい
日本の労働市場では、”即戦力!”と思っているのは自分だけで、企業側は中長期的に考え若年層の採用を重視する傾向があるため、60歳の転職は厳しい場合が多いです 。そのため募集要項は年齢制限は記載していないものの、”フレッシュな職場です”、”活気ある企業文化”など若年層を意識した企業PRが多いです。
スキルのギャップ
ITスキルや最新の業界知識において、若年層に比べて劣る場合があり転職の障害となることがあります。セールスにおいてもコロナ禍以降大きく変化し、デジタル化・オンライン化が進んでいます。
給与や待遇の低下
転職先での給与や待遇は現役時代よりも下がる可能性が高く、生活費の負担となります。また、雇用形態が全て正社員ではなく、1年毎の更新が必要だったり、契約社員やパートタイムでの採用となる場合があります。
年齢による適応性の偏見
世間では”生涯現役”と言われていますが、実際には高年齢者に対する偏見が未だに存在します。特に新しい業界や若い人材が多い企業では、高年齢をマイナス要因とみられ、会社文化習慣、業務の進め方についていけないのではないか?とされます。
成功の鍵は何でしょうか?
外国語、専門性のスキルアップは年齢に関係なく学習していても、転職の現実は上記のように厳しいので、高待遇を望む転職なら、スカウト、人脈を活用しこれまで築いてきた人脈をフルに活かし職を探すことも大切です。
私は実際に理想と現実の壁にあたることで、付加価値の低い安い給料で毎年更新という不安定な転職はしたくなく、小さくても起業する道を選ぼうと思いました。一方で日本を長く離れて海外生活が長かったこともあり、日本人社会の常識にピンときていないところがあり”リハビリ”が必要と思い、1年間はどこかの企業にお世話になり起業の準備をすることにしました。
2、決め手になったタクシー会社の募集要項
(1)60代転職で望むこと
改めて、60代転職で望むことを整理した結果が以下です。普通に考えるとそんな都合の良い仕事があるのか?と思いながら、現役時代とは違う環境を作り社会貢献と日本社会へ慣れるためのリハビリを兼ねたいと思いました。
⚫️同じ労働力を提供するなら歩合制など高給な職業
⚫️毎年更新ではない正社員できちんとした社会保障
⚫️接客業で直接市場と接し苦楽を感じたい
⚫️できる仕事ではなくやりたい仕事(趣味や興味のある仕事)
⚫️勤務時間、会社組織からの拘束の緩和
(2)転職サイトへの登録内容更新
特に拘り、変更したのは”勤務条件(希望職種、勤務地、希望給料、雇用形態)です。当初は私は60代だから、、、どこでも良いから、、給料はまあ○○円くらい?、、など控えめに遠慮がちになってしまいましたが、それでは本当に自分がやりたい仕事には出会えないと思いました。
そこでヒット!したのがタクシー運転手でした。3社からメールを頂き、履歴書、職務経歴書を送付し面接日時が決まり順調に内定を頂きました。
タクシー運転手の募集キャッチコピーはだいたい以下の通りです。
⚫️800万円年収可能
⚫️未経験者大歓迎、親切丁寧な研修
⚫️試用期間の40万円の給料保証
⚫️選べる勤務形態
⚫️勤務地は住居に近い最寄りの営業所
⚫️正社員雇用、最長72歳まで働けます
⚫️業界最大手
⚫️1種普通運転免許書取得2年以上経過
引用元1:厚生労働省 「職業安定業務統計」
引用元3:厚生労働省 「賃金構造基本統計調査」
3、決め手になった某タクシー会社のフォロー体制
”未経験者大歓迎、親切丁寧な研修”が大きな決め手になりました。面接時に会社側から説明があった主な内容は、採用後は約1ヶ月間、研修センターでタクシー運転手の基本知識、実技、2種免許取得、地理テスト(2024年4月から地理テストは無くなりました)対策の研修がありますので、未経験者でも約1ヶ月後にはタクシー運転手として働けます。
営業所へ配属後も約3ヶ月間は指導員による同乗やフォロー体制があるため、実際に運転手として働きながら不足や不安を補うことができ、その間は保証給が支払われます。
(1)タクシー運転手に必要な基本知識
接客態度、コミュニケーション内容、メーターやナビの操作方法、支払い方法、車両の定期点検内容、事故の危険性、安全確認などの講座が豊富に準備されています。
(2)実技研修
実際にタクシーで使われている同じ車両を使い公道を走りながら乗車降車時にコミュニケーション、メーターやナビの操作方法、支払い方法(現金、クレジットカード、電子マネー、チケット)手順などの実技研修があります。
(3)2種免許取得
タクシー会社提携先の自動車学校で約2週間の学科、実技講習後検定合格します。学科については運転免許センターでの学科試験に合格します。短期間で合格のため、かなり集中して学習しなければいけません。費用はタクシー会社が全額負担してくれますが、配属後2年以内に退職すれば全額返金する必要があります。(総費用:約210,000円)
(4)地理テスト(2024年4月から地理テストは無くなりました)
東京都内の幹線道路の名称テストがありましたが現在は無くなりました。当時、周囲の方々からは”地理テストで学習した道路名などは実際の乗務では何も役に立たない”と言われていましたが、私は乗務が始まって更に道路を覚える際の土台になり猛勉強してよかったと思いました。
4、決め手になったタクシー会社の待遇
(1)研修手当
研修手当:実勤務日数x10,000円+交通費
学習しながら手当を頂けることは非常に嬉しかったです。私の場合は年末年始の連休があったので実勤務日数は18日間でしたので180,000円を頂きました。
(2)試用期間保証給
保証給:400,000円/月、試用期間:3ヶ月間
配属が決まってタクシー乗務が始まっても、急に売り上げを上げるためにお客様の見つけ方、休憩場所や喫煙場所などを見つけるのは難しいことです。そんな未経験者は指導員の指導を受けながら勤務日数をクリアできれば保証給分を頂けることは非常に有り難かったです。
(3)勤務形態(隔日勤務)について
1勤務:約18時間(内休憩時間約3時間)
例えば午後1時から乗務の場合、翌朝7時頃まで乗務が必要でその後が”明け日”になり、12-13乗務が一般的なので12乗務(24日勤務6日休み)、13乗務(26日勤務4日休み)になります。
You Tubeなどでは”明け日は自由なので自分の時間に使えます”と言われていますが、帰宅ししっかり寝なければ体調管理ができませんので、実際には”自由な時間”とはしっかり休息を取るという意味です。この勤務形態に慣れることが長く楽しく続けられる秘訣だと思います。
(4)正式採用後の歩合制給料
歩合比率はタクシー会社によって50〜65%です。
”頑張れば頑張った分だけ給料が増える”タクシー運転手ならではの魅力です。タクシー会社によって歩合率に違いがあるようですが、最低ラインは50%です。
5、まとめ
研修期間から正式採用まで親切丁寧なフォロー体制は未経験者でも安心して始められます。
研修手当+保証給は生活費を気にしなくてもタクシー運転手として独り立ちを目指せます。
隔日勤務は特に年齢による身体への負担はありますし、隔日勤務に慣れるかどうかが長く楽しく続けられる秘訣です。