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【実体験】研修日当付き1ヶ月間でタクシー運転手になれるはホント

新しい業界へチャレンジするには一定の知識を身につける必要があります。転職者の中には”今更、研修面倒だなー”、”今までの社会経験があり応用できるし要らない”、”新人研修でしょう?私は新人じゃないから要らない”などいろいろと考えてしまう方も多いでしょう。

実はタクシー運転手は未経験者が約70%を占めて、コロナ禍以降人材不足が続いて、人材確保のために未経験者の育成と日常管理が会社売上を左右する重要な責務になっています。

なぜならタクシー運転手は自分とお客様の命を預かり、自分の免許証を担保に違反や事故をするとその責任が100%自分に降りかかってくると同時に、会社側も監督、指導不足から注意勧告、業務停止などの罰則が多い仕事なんです。

私も未経験者としてこの研修に参加しました。最初は”え!?こんな根性もの研修なんか今ではどんな企業もやっていないよ”と思いながら照れ臭ささを感じながらカリキュラムを消化していくにつれて、指導員の方々の真面目で真剣さから伝わってくる礼儀や安全管理の意識の強さを感じ、短期間で身につけなければいけない知識や資格の多さに驚きました。

ここでは、どんな研修が行われてそれが実際に乗務にどのように役に立ったかについて説明します。これだけ豊富な研修を日当を貰いながら受講できるのは他の業界ではありません。研修スケジュール、研修内容などは会社によって異なりますが、ここでは私が実際に入社を決めた会社を事例として説明します。

目次

1、研修しながら日当がもらえる過密なスケジュール実体験

面接3−4日後に採用決定の連絡を頂いたので会社(最寄りの営業所)に行き、これから配属までの全体スケジュールと雇用関係、社会保険、日当、給料、研修についての説明、書類への署名、押印などをしました。

実はこの時まで研修があることはわかっていましたが別の所に研修センターがあり、そこでどんな研修があるのか特に気にしていませんでした。”少し現実離れしているところもありますが、○○さんなら絶対大丈夫です!!”と言われ、何が?どう?現実離れしているのか?少し気になりました。

営業所としては採用者一人一人の予定に合わせて配属までのスケジュールを作成していて、私は12月11日頃の採用決定だったので、研修も12月11日から1月12日、配属は1月15日でした。年末年始はしっかりと自習の時間に当てられました

研修期間:12月11日〜1月12日

【実体験】研修日当付き1ヶ月間でタクシー運転手になれるはホント:研修スケジュール

引用元:記事作成者の実際の研修スケジュール

研修期間:約1ヶ月の中に2種免許取得、地理テスト、適正テストが含まれていますが、中にはなかなか合格できない方も多く、猶予期間2ヶ月の中で合格できなければ正式採用しないということです(2024年3月以降地理テストは廃止されました)。

通常カリキュラムが1ヶ月、猶予期間としてプラス1ヶ月間あるので大丈夫と思っていましたが、2種免許+地理テスト+適正テストは”ワンチャンス”で合格しないと次の研修生が入社してくるので、自習してテスト日は約1ヶ月後に次の研修生と一緒になり、猶予期間は1ヶ月ではなく1回ということになりかなりプレッシャーでした。

期間は1ヶ月間、18日間が研修やテスト、12日間が休みというスケジュールは同期の他の仲間もだいたい同じでした。覚えて理解する内容が多いので、自宅で復習する時間を多く取り自己管理が大切です。研修センターの講義時間だけでは合格できないと思います。

また今は廃止された地理テストは夢にまで出てくる程のボリュームで、脳から汗が出るほど暗記しました。当時3月から廃止されると聞き”羨ましい”と思えるほどでした。しかし実際に乗務して、新しい経路を覚える時に猛勉強した記憶が何となくあったので役に立ちました。

2、タクシー運転手座学研修実体験

座学研修は”品質、法律、安全、地理”の4科目を4日間で朝の9時から17時までビッシリと講義があります。それぞれに整備されたテキストがあり、眠さとの戦いでしたが、どれも適正テストに出るものばかりで気が抜けない講義です。

説明されると”当然でしょう!”と思うものが多く、一方でタクシー運転手をしないと関係ないことも多くありましたが知っておかなければいけない内容ばかりでした。必要な専門用語も多いので暗記内容が多かったです。

3、2種免許取得(学科、実技)実体験

1、2種免許受験資格

①満21歳以上であること
但し2022年5月に施行された改正道路交通法によって、受験資格特例教習を受けることで、19歳以上であり、一種免許を取得してから1年以上経過していれば二種免許を受験することが可能です。
②一種免許を取得してから3年以上経過していること(停止期間を除く)
③視力が片眼で0.5以上、両眼で0.8以上(眼鏡、コンタクト使用可)
④深視力検査で誤差が2cm以下であること
⑤赤、青、黄色の三色が識別できること
⑥10mの距離で9デシベルの警音器の音が聞こえること(補聴器使用可)
⑦運転に支障をきたす身体の障害がないこと

2、2種免許合格率

1種免許の合格率が約70%なのに対して、2種免許の合格率は警察庁発行の「運転免許統計 令和2年版」の「(2)令和2年中の運転免許試験実施状況」(p22)によると、普通二種免許の受験者数は25,690人、合格者12,179人の合格率47.4%となっていてあまり高くありませんが、実技、学科とも思い込みや我流ではなく教習所やテキストで学んだことをしっかり理解し実践できれば、2種免許の取得は決して難しくありません。

3、2種免許講習

期間は実技講習+学科模擬テスト=5日間、卒研(実技テスト+学科模擬テスト)=2日間です。実技テストは普通車免許で運転実績があれば特に難しくはないのですが、”鋭角コースの旋回、縦列駐車、方向転換”がポイントでしっかりと練習すれば合格できますが、課題は学科模擬テストです。

学科は約70%が1種免許内容で30%が2種免許内容ですが、感覚的に覚えていることが多く、模擬テストをなかなか合格できませんでした。実技講習期間中に自由にパソコンを使い模擬テストを受けるのですが、私は4回目でやっと合格できたほどです。

学科テストの問題形式はマークシート式ですが、制限時間に比べて問題数が多いのが特徴です。文章問題が90問、イラスト問題が5問の全95問。文章問題が1問1点、イラスト問題が1問2点の計100点満点で90点以上で合格です。

【実体験】研修日当付き1ヶ月間でタクシー運転手になれるはホント:2種免許証テキスト

引用元:記事作成者が使用したテキストと問題集

模擬テストに合格できないと正規学科テスト(運転免許センターでのテスト)が受験できないので、不合格の度にプレッシャーが強くなりました。1種免許内容:100問、2種免許内容:100問の問題集と”ほぼ同じ内容が模擬テスト、正規テストに出る”とアドバイスがありこの200問の文字、表現、意味を丸暗記しました。

私は2種免許正規学科テストで1度目は不合格になり翌日2度目に合格できました。2種免許の詳しい内容はいろいろなサイトで情報公開されていますのでここでは省略しますが、問題量が多くて”時間配分”が大切で、真面目に暗記学習をしないと合格できないほどの難関です。テストの進め方は最後のイラスト問題5問x2点=10点を先にやり、文章問題に取り組むことが合格へのポイントです。

合格発表は、教室前の電子掲示板に合格者番号が表示され、自分の番号が無い人は静かに教室を出て、翌日の受験予約をして会社へ不合格報告をして帰ります。自分の番号がなかったショック!と”すみません不合格でした”と会社に報告する残念さは今でも覚えています。

4、タクシー運転手実技研修実体験

2種免許に合格すると”同乗指導”があり、タクシーと同じ車両に指導員と同乗し公道を走りながら車線変更幅寄せ、停車、ドアの開け方、コミュニケーション、料金の清算の仕方など一連のことの実技練習します。

座学研修でテキストでは何度も繰り返しできたことが運転しながらになるとスムーズにできないんです。特にお客様とのコミュニケーションをしながらメーター、ナビの操作は何度やってもスムーズにできません。頭ではわかっているけど、行動と言葉が一致しないんです。

実技研修は非常に短く2-3時間しかありません。できるように練習するのではなく、その難しさを体験し実際の運転を思い浮かべながら自分で繰り返し練習できる感覚を身につける程度のものでした。

5、タクシー運転手適正模擬テスト実体験

適正模擬テストはパソコンに沿って答えを選択するもので、イラストを見て記憶のテストや研修時のテキスト、問題集通りに一通り勉強していれば合格できます。問題範囲は座学研修にあった”品質、法律、安全”による選択式回答ですが、○、✖️問題と文章の空欄部分に入る適当な言葉を選ぶものです。

適正模擬テストはタクシー会社が違っても同じ問題が出されるので、会社により独自に分析したテキストや過去問題集の内容が合格できる鍵を握ります。その点、私が選択した会社は豊富な情報から完成度の高いテキストや問題集が整備されていて効率よく勉強できました。

6、タクシー運転適正テスト、手地理テスト実体験

午前中:適正テスト、午後:地理テスト

会場は東京タクシーセンターで一斉に開始し当日処理され、合格書(適正テスト+地理テスト)が発行されます。

前章でも説明の通り、2024年3月以降は廃止されたので詳しく説明する必要はありませんが、”100点を狙わずギリギリ合格点を狙うしかない厳しいテスト”でした。都内の幹線道路を対象にする地理テストは範囲が広すぎて、全部完璧に覚えられない最後の大きな壁としてありました。

”40問中32問以上取れれば合格、合格率は50%”ですからどれだけ難しいテストだったかがわかります。

地理テスト廃止にはいろんな背景があると聞いています。タクシー業界では人材不足な中、あんな難しいテストが必要なのか?何度かチャレンジして途中で辞めてしまう人もいるのではないか?ナビがある中、必要なのか?そんな背景から廃止になりました。

しかし経験者として言えることは、経路を覚えるには覚え方があり地理テストではその覚え方を学べました。乗務開始後新しく道を覚える時も”覚え方”に沿って自然と覚えることができているので、大切なテストだったと思っています。問題出題方法や合格点を下げて継続した方が良かったと思います。

7、タクシー運転手として合格実体験

2種免許証+講習修了証+合格証(適正テスト+地理テスト)の3つの証を得ることで正式なタクシー運転手になれ、長いようで短かった研修が修了します。その後、タクシー乗務の際には必ず助手席の前に掲示している”乗務員証”が発行されます。

引用元:記事作成者の合格証

長らく資格試験を受けたことや合格証などもらったことがなかったので、達成感が湧いてきました。正直なところ異業種についてこれほど頑張って勉強したこともなく、研修期間中は長く感じましたが、終わってみれば”こんな短期間によく合格し修了できたなー”と思いました。

8、まとめ

転職サイトやネットの通り、”1ヶ月間でタクシー運転手として稼げます”は本当です。

研修期間は1ヶ月でかなり過密なスケジュールですが、研修センター側も過去の経験からカリキュラム通りに勉強すれば必ず合格できるという確信があるようです。

座学研修のテストは2つ(適正テスト+地理テスト)ですが、地理テストは2024年4月に廃止され適正テストだけなので、合格への壁は低くなっています。

2種免許は実技能力は講習期間中に練習する程度で十分、学科テストへの真剣な取り組みが必要です。1種:約70%+2種:30%で意外と忘れています。

タクシー運転手実技研修はお客様の乗降間でやらなければならないことが結構あるので、覚えるよる慣れて自然とできるように、家でトイレの中、お風呂に入りながら、、、繰り返し練習しました。

【実体験】研修日当付き1ヶ月間でタクシー運転手になれるはホント:アイキャッチ画像

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